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✅日本の支援で動き出した世界の変化

2025年4月、日本の国際協力によって、世界の障害者の生き方に大きな転機が訪れている。

すでに20か国以上から障害者当事者が日本で研修を受け、帰国後にリーダーとして各国の政策に変化をもたらしてきた。

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その中心にあるのが、兵庫県に拠点を置くNPO「メインストリーム協会」である。

コスタリカで広がった“自立生活”という理念

中央アメリカに位置するコスタリカは、障害者福祉において近年国際的な注目を集めている。

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  • バリアフリービーチ(アクセシブル・ビーチ)の導入
  • 水陸両用車いすの導入によるレジャーの自由化
  • 路線バスへのリフト設置の義務化
  • 公費による介助サービスの提供

これらの政策の背後には、日本の制度を参考にした自立生活の思想が取り入れられていた。

ウェンディ・バランテス氏の転機:日本との出会い

コスタリカでの福祉政策の旗振り役となったウェンディ・バランテス氏。筋ジストロフィーを抱えながらも、障害者支援団体の代表として活動する彼女の転機は、2008年に開催された障害者集会での日本人との出会いだった。

その人物は、兵庫県で長年にわたり障害者の自立支援活動を行ってきた廉田俊二氏。自らも車いす利用者であり、自立生活支援の理念を国内外に伝え続けてきた。

“あなたは本当の意味で自立していない”

出会いの場で廉田氏から「あなたは自立していない」と言われたことが、バランテス氏の人生観を大きく揺さぶった。

翌年、彼女は生まれて初めて家族と離れ、日本での研修に参加。兵庫県にある「メインストリーム協会」で1か月半の自立生活研修を受けることとなった。

✅日本の制度:障害者による社会変革の実例

日本では、1970年代から障害者運動が本格化。廉田氏らの粘り強い働きかけによって、2000年代には24時間介助制度が法制化され、所得に応じて介助が無償で提供される仕組みが整った。

この制度の存在は、海外からの研修生たちに強烈なインパクトを与え、各国への応用が始まっていった。

研修生たちが各国で起こす“自立革命”

 
取り組み・成果
韓国 研修後、障害者自身による政策提言や自立支援制度の整備に貢献。
モンゴル 介助制度の導入に向けて活動し、社会の意識改革にも影響。
パキスタン 政策提案を通じて、障害者の自立支援体制づくりを推進。
カンボジア 制度の未整備な状況下でも、研修生がリーダーとなり改革を牽引。

 

✅呼吸器使用者の一人暮らしに衝撃を受けた瞬間

研修の中で、バランテス氏は人工呼吸器を装着しながら一人暮らしをしている男性と出会い、自立生活の可能性に衝撃を受けた。

「このような生活が実現できるなら、介助さえあれば世界中の誰もが自立できるはず」

と語った彼女は、帰国後、社会を変える決意を固める。

コスタリカでの制度構築と法整備

帰国したバランテス氏は、

  • 障害者団体を立ち上げ
  • JICAの支援を受け介助者の育成
  • 介助制度導入のために全議員にアプローチ

を行い、反対意見や予算不足といった壁に直面しながらも、7年にわたる活動の末、280kmのデモ行進を実施。

この行動はメディアでも大きく報道され、世論の後押しを受け、2016年には中南米で初となる自立支援法が成立。

“介助によって救われた家族”:制度がもたらした変化

ロシオ・モラレス氏は交通事故によって半身不随となったが、介助制度の導入によって日常が大きく変化。

  • 1日6時間の介助サービス
  • 子どもたちの負担軽減
  • 趣味活動への復帰

といった変化が家族にもたらされ、精神的な自由も回復されたと語っている。

✅自立生活運動の国際的な波及

コスタリカの成功は、

  • ラテンアメリカ13か国による「自立生活ネットワーク」結成
  • 法案作成の動き(ボリビア・パラグアイ)
  • 国連障害者権利委員会からの注目

といった波及効果を生み出している。

副委員長アマリア・ガミオ氏は、

「自立生活は革命である」

と述べ、今後のさらなる拡大を国連として後押ししていく意向を示している。

変革は終わらない:廉田氏の信念

廉田氏は今もなお、

  • 新たな研修生の受け入れ
  • 各国への伴走支援
  • 「人生を賭ける仕事」という教え

を続け、自立生活の理念を広めている。

✅トレードマークの「Kadotaタオル」に込められた決意

バランテス氏は、廉田氏への尊敬と決意を込め、「Kadota」と書かれたタオルを巻いて活動を継続。障害を「社会を変える力」と捉え、変革の火を灯し続けている。

結論:人と人がつながる国際協力の未来

自立生活運動は、単なる制度の導入にとどまらず、人と人とが結びつくことで社会そのものが変革されうることを証明している。

今後もこの“日本発の国際協力”が世界中に拡大し、すべての人が尊厳を持って生きられる社会の礎となることが期待されている。

著者

  • ジャーナリズムの学位とデジタル・マーケティングの修士号を持ち、ソーシャルメディア向けコンテンツ制作を専門とする。コピーライティングとブログ管理の経験を生かし、執筆への情熱とデジタルエンゲージメント戦略を融合。コミュニケーション・エージェンシーでの勤務を経て、現在は有益な記事やトレンド分析の制作に専念している。